江戸ネットワーク
江戸期において、江戸や大坂などの都市では河川は重要な流通経路の一つであり、数々の蔵屋敷は河川界隈に置かれました。
歌川広重、葛飾北斎の浮世絵などには、隅田川などで、人々が集まって楽しんでいる様子が描かれています。
河川は、都市のNetworkの要でした。
そして、河川とその界隈の空間は、神社の境内などと共に、日本の都市空間において、重要な公共空間の一つでした。
西欧においては広場が、重要な公共空間の役割を果たしました。
市民たちは広場で様々な活動を行い、広場が市民生活の中心となりました。
歴史的に西欧的な広場のない日本の都市においては、代わりの「都市の中心」がありました。
古来から広場ではなく、道空間が大事な公共空間の役割を果たします。
辻において、様々な活動が行われ、辻商い、辻説法などの言葉が生まれます。
海や川は流通・ネットワークの要となるだけでなく、船に乗って、飲食を楽しむことも盛んに行われました。
あるいは海辺を見ながら過ごしたり、飲食することもまた、「江戸らしい」活動の一つだったのです。
海辺・川辺の道空間は、日本の公共空間の根幹でした。
そして、多くの市民たちは「水辺の道空間」を楽しんで生活しました。
江戸時代、江戸という都市のNetworkを担ってきた江戸・東京の河川。
現代では、その価値を急速に失っています。
浮世絵:歌川広重
江戸 ネットワーク 水辺 道空間
DATA
- Category:
Urban
- Type:
調査・都市計画
- Location:
東京都
- Team:
YDS
- Size:
-
- Status:
Completed