希望の箱

クリニックの増築計画です。

東日本大震災を受け、医師は増築計画に先立ち、非常時の為に発電機を設置することを決意しました。

敷地は駅前の商店街のため、軽油で発電する発電機の設置には様々な困難が予想されました。

 

所轄消防署の当初の見解は、「商店街に大量の軽油を持つ機器を設置することは前例がなく、許可できない」という立場でした。

法規制上の困難を前に、「地域の医療に貢献し、非常時には周辺の負傷者や患者の皆様の役に立ちたい」という建主=医師の熱い思いがありました。

その熱い思いと決意を前に、消防署との折衝を繰り返しました。

 

非常時の医療施設としての重要性を強く訴え、発電機の周囲をステンレスの箱で覆うことで、計画を進めることが出来ました。

医師の思いを具現化したこの小さな建築は、災害時などの非常時には大きな役割を果たすでしょう。

小さな箱は商店街の一角で、「希望の灯火」のように佇んでいます。

Clinic Hope Box

Photo : Yoshitaka Uchino

DATA

  • Category:

    Commercial

  • Type:

    Clinic

  • Location:

    Tokyo

  • Team:

    YDS

  • Size:

    10sqm

  • Status:

    Completed